タイ語ハッシュタグから見える訪日タイ人の旅のスタイル
タイ語のハッシュタグを見てみると、日本人が気づかない意外なトレンドが見えてきます。そこには有名な観光地だけではなく、街並みやコンビニといった何気ない日常の景色にも、日本らしさを感じるタイ人の視点が表れています。今回は、タイ人の訪日旅行に関する投稿でよく使用されるハッシュタグをもとに、彼らならではの旅のスタイルや価値観を整理しました。
訪問先の広がり:定番に加わる「プラスアルファ」の体験
#รีวิวเที่ยวญี่ปุ่น(日本旅行レビュー) #เที่ยวญี่ปุ่นด้วยตัวเอง(日本ひとり旅)
東京・大阪・京都といった主要都市の旅行レビューが依然として多いものの、そこから一歩足を延ばした地方周遊の様子も多く発信されています。
◾️富士山周辺(山梨・静岡)
タイ人の2025年の都道府県別訪問率で上位に入る山梨・静岡の両県は、「富士山」が見えるスポットとして根強い人気です。
特に人気なのが、「富士山×〇〇」をテーマにした写真撮影です。山梨の河口湖や新倉山浅間公園、本町商店街、静岡の富士山本宮浅間大社や富士山夢の大橋といった名所とのコラボ撮影はもちろん、富士山を望めるコンビニやスターバックスコーヒーなど、日常的な風景と富士山を組み合わせた写真をSNSに投稿する人も多く見られます。
◾️紅葉シーズンの注目スポット
ひたち海浜公園(茨城県):コキアが鮮やかに紅葉し、丘一面を真っ赤に染め上げるフォトジェニックな風景が大人気です。
白馬(長野県):白馬岩岳マウンテンリゾートでは、絶景ブランコやテラスから北アルプスの大パノラマを楽しむ様子が定番の投稿となっています。また、ウィンターシーズンにはスキー場としても人気です。
香嵐渓(愛知県):紅葉のライトアップに加え、屋台グルメの食べ歩きも楽しめることから、日本のお祭りの雰囲気を味わえるスポットとして親しまれています。
メタセコイア並木(滋賀県):映画のワンシーンを思わせる美しい並木道の景観が魅力で、京都周辺の新たな撮影スポットとして話題になっています。
◾️雪シーズンの注目スポット
北海道:ニセコでのスキーに加え、美瑛の「白ひげの滝」や富良野の「ニングルテラス」では幻想的なライトアップが楽しめることから、冬ならではの絶景スポットとして注目されています。また、真駒内滝野霊園のモアイ像や頭大仏など、ユニークな写真が撮影できるスポットも話題です。
蔵王エリア(宮城県、山形県):樹氷(スノーモンスター)の迫力や、蔵王キツネ村での動物とのふれあいをセットで楽しめるのが魅力です。
銀山温泉:タイでもジブリの名作「千と千尋の神隠し」の舞台に似ていることで有名。雪見露天や着物を着て歩くなど日本ならではの体験が人気です。
タイ人の買い物は「爆買い」から「評価」へ
#ของฝากจากญี่ปุ่น(日本のおみやげ) / #ไอเทมจากญี่ปุ่นที่น่าสนใจ(気になる日本のアイテム)
円安の影響もあり買い物意欲は変わらず旺盛です。単に「有名なもの」を買うだけでなく、現在のトレンドは「徹底的な比較と採点」へと変化しています。
◾️採点レビュー
購入品に「7/10」や「9/10」といったスコアを付けてSNSに投稿する、製品の質や価格などから総合評価をするスタイルが主流です。また、日本円での価格とタイでの販売価格を併記し、具体的な価格差を指標として明示することもあります 。製品の質や実際の使用感に加え、タイで購入するよりも「どれだけお得か」を重視する傾向が見られます。
◾️注目アイテム
美容・健康:雪肌精やアクアレーベル、エリクシールといった定番商品が根強い人気です。また「リファ(ReFa)」などの最新美容機器や、日本らしい「米ぬか」や「日本酒」の成分を配合したスキンケア用品も注目を集めています。地域限定パッケージや、毎日気兼ねなく使える大容量シートマスクも定番の売れ筋アイテムで、高品質で手頃な価格のDHCサプリメントを、リアル店舗でまとめ買いする様子も引き続き多く見られます。
食品・日用品:グミやプリンなどの菓子類はもちろんのこと、ドン・キホーテオリジナル商品の「秒でどこでもTKG!?」のように、軽量で持ち帰りやすく、帰国後も「日本の味を再現できる」ユニークな商品が話題になっています。
コンビニという「観光スポット」
#รีวิวเซเว่นญี่ปุ่น(日本のセブンイレブンレビュー)
タイ人にとって日本のコンビニは、最新トレンドが集まる人気の観光目的地です。タイでも馴染みのある「セブンイレブン」という言葉は、ハッシュタグではコンビニ全般(ローソンやファミリーマートを含む)を指すほど文化として定着しています。
実際にタイ人観光客の投稿を見ると、コンビニへの入店シーンから商品の陳列棚、ホテルで購入品を紹介する様子まで幅広く発信されています。彼らにとっては、コンビニで過ごす時間そのものが「日本の日常」を体験する特別なコンテンツになっているようです。最近は食品だけでなくコンビニ発のアパレルも注目されており、特にファミリーマートの靴下は外せないマストバイアイテムとなっています。
(コンビニ各社は基本的に店内撮影を禁止しているものの、多くのタイ人旅行者がSNSを通じて商品や店舗の魅力を発信しています。)
タイ訪日客の秋冬旅行の「検討期」を見据えて
ハッシュタグの分析を通して、タイ人観光客の関心は「景色を見る」ことだけでなく、日本での「具体的な体験」や「商品の比較・評価」へと広がっていることが分かります。
特に自国にない紅葉や雪は、今も日本を訪れる大きな動機です。こうした季節を狙う層は、5月〜6月頃からリサーチを開始し、夏には予約に向けて動き出します。そのため、秋冬の集客を検討される場合は、この検討期に合わせた情報発信が重要です。
「今年の秋冬に向けてタイ市場にアプローチしたいが、何から手をつければいいか迷っている」 そんな自治体・企業のインバウンド担当者様は、ぜひ一度ご相談ください。現在のトレンドを踏まえ、ターゲットの関心に沿った施策を一緒に検討させていただきます。

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