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最新の訪日客消費動向から分析!国別トレンドと多様化する「宿選び」


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観光庁から「2025年 訪日外国人の消費動向調査(年間報告書)」が発表されました。本調査では、費目別の消費額や滞在目的、訪日回数、滞在日数などを把握できるため、インバウンド戦略の立案に欠かせない貴重な情報を得ることができます。
本記事では、2025年のデータから紐解く主要国・地域別の特徴に加え、数値から見えてくる「宿泊ニーズの多様化」の実態について詳しく解説します。

2025年インバウンドの概要:総消費額は過去最高の9.4兆円

2025年の訪日外国人旅行消費額は、前年比16.4%増の9兆4,549億円に達しました。訪日外客数も初めて4,000万人を突破し(4,268万人)、消費額・訪日外客数ともに過去最高を更新する結果となりました。
2025年の1人当たり旅行支出も22万9,000円と高水準を維持しています。その内訳を見ると、日本での「宿泊」「食事」「体験」といった滞在の質を高める消費(コト消費・価値消費)へシフトする動きがうかがえる結果となりました。

 

注目すべき主要国・地域の消費トレンド

【韓国】「国内旅行」の感覚で、圧倒的な数を回すライトユーザー層

年間訪日客数: 942万人(圧倒的トップ)
1人当たりの旅行支出: 10.5万円(全体平均の半分以下・主要国で最も低い)


韓国人旅行者にとって日本は「週末にLCCを利用して気軽に訪れる場所」という意識が強く、滞在日数が短いのが特徴です。居酒屋やラーメン、コンビニなど、日本の「日常の延長線」にあるコンテンツをカジュアルに楽しむ、最もフットワークが軽い層と言えます。

 

【台湾】日本の地方を愛する「最強のリピーター」

年間旅行消費額: 1兆2,033億円(中国に次ぐ第2位)
1人当たりの旅行支出: 18.4万円

 

訪日回数が「10回以上」という旅行者も珍しくないほど、世界屈指の訪日リピーター率を誇ります。東京や大阪などの大都市圏はすでに行き尽くし、東北、北陸、四国、九州といった「地方の温泉や大自然、ニッチなグルメ」を深掘りして楽しむ傾向が強まっています。

 

【香港】1年以内の訪日リピート率が65.2%と断トツのトップ

前回の日本への来訪時期:1年以内が65.2%(トップ)
1人当たりの旅行支出: 22.6万円

 

過去1年間に2回以上日本を訪れている「短期リピーター」の割合は、香港が約6割に達しており、韓国・台湾(約3〜4割)と比べても高い数値を記録しています。また、1人当たりの支出22.6万円のうち、買い物代が平均約6.9万円とアジア圏でトップクラスの購買力を誇ります。

 

【タイ】お目当ては自国にない「季節感」

年間旅行消費額: 2,527億円
1人当たり旅行支出: 20.5万円


東南アジアの中で最もインバウンドが成長している市場です。地方をレンタカーで自由に移動する個人旅行スタイルが増加しているほか、自国にはない「雪」や「桜」といった季節限定の体験に対するニーズが極めて強いのが特徴です。

 

【インドネシア】 経済成長がダイレクトに反映される「未来の成長株」

1人当たりの旅行支出: 20.5万円
1人当たり支出の前年比伸び率: +23.7%

 

タイと並び東南アジアでトップクラスの購買力を見せており、消費額の伸び(前年比+23.7%)も特筆すべき勢いです。世界最大のムスリム(イスラム教徒)人口を抱える国であるため、食における「ハラル対応」や礼拝室の有無が、飲食費の消費やホテル選びを大きく左右する重要なポイントとなります。

 

【米国】「滞在体験」を最優先するプレミアム層

1人当たりの旅行支出: 33.9万円
内訳:宿泊費 14.7万円/飲食費 6.9万円/買物代 6.7万円

 

欧米圏の最大の特徴として、「宿泊費( 14.7万円)」の割合が非常に高く、逆に「買物代(6.7万円)」の割合が低い傾向にあります。おみやげなどの「モノ」よりも、日本文化の体験(ガイド付きツアー、美術館、伝統工芸体験など)や上質なレストランでの食事といった「時間の過ごし方(コト)」に価値を見出す傾向にあります。中長期滞在で地方のローカルエリアまで深く味わおうとするスタイルが定着しています。

 

2024年からの消費構造の変化:買い物よりも滞在・体験重視へのシフト加速

2024年と2025年の訪日外国人(一般客)における「1人1回当たり」の旅行支出を費目別に比較すると、買物代の割合が減少する一方で、宿泊費や飲食費など「日本での滞在時間そのもの」への支出がさらに拡大している動きが見えてきます。

一般客一人1回あたり費目別旅行支出の推移


1人あたりの支出データを実額で見ると、お土産などの購入を含む「買物代」が平均5,000円減少している一方で、「宿泊費」は前年から約7,000円の大幅増となり、さらに「飲食費」も増加しています。円安による「おみやげ品のまとめ買い・爆買い」といった動きが落ち着きを見せる一方で、日本での「快適な滞在」や「こだわりの食体験」など、現地での滞在体験そのものの価値を重視し、そこに十分な予算を配分する傾向が定着しつつあることを示しています。

 

宿泊費の分析:データが示す、多様化する滞在の実態

インバウンド消費動向調査の2025年年間の集計表を見ると、より多面的な滞在実態が浮かび上がってきます。

訪日外国人の宿泊施設利用率

訪日外国人の宿泊施設利用率を見ると依然として洋室中心のホテルへの宿泊客数が全体の大半を占める事実に変わりはありませんが、この経年比較グラフからは、国や地域によって宿泊スタイルの多様化が着実に進んでいることが分かります。

マレーシア(約16%→22.0%)やインドネシア(約13%→18.1%)、フィリピン(約13.8%→17.2%)といった東南アジアの一部、そしてフランス(約21.6%→27.5%)や米国(約20%の高水準を維持)といった市場では、全体平均(10.9%)を遥かに超える水準で民泊が選ばれています。これらの国々では、既存のホテルや旅館の利用率がやや横ばい・微減となる中、民泊が非常に有力な滞在手段として定着しています。

東南アジア層
マレーシアやインドネシア、フィリピンなどファミリー・グループでの旅行が多い国の場合、ホテルで複数の部屋を予約するより、一棟借りや大部屋のある民泊を利用する方が利便性やコストパフォーマンスの面で満足度が高いと感じる旅行者も多いようです。

 

欧米層
フランスや米国のような長期滞在国では、滞在期間中にホテル、旅館、そして民泊を上手に組み合わせる「ハイブリッドな宿選び」が一般的となっています。彼らは旅行期間が長いため(平均10〜20泊以上)、自炊や洗濯ができる民泊を挟みながら「現地で暮らすように旅する」スタイルを楽しむ旅行者が増えています。

 

まとめ

2025年の訪日外国人消費動向調査からは、消費額や訪日客数が過去最高を更新する一方で、旅行者のニーズや滞在スタイルがより多様化・成熟化している様子がうかがえます。

単におみやげなどの購入(モノ消費)を期待するだけでなく、質の高い宿泊や食事、地域での体験といった「日本での滞在時間そのもの」に価値を見出す傾向は、今後もひとつの流れとして定着していくと考えられます。また、リピーターの多い台湾・香港、多様な滞在環境が求められる東南アジア、長期滞在で民泊などの利用も増えている欧米圏など、国や地域によって訪日の目的や求める環境は様々です。

これからのインバウンド施策においては、それぞれの国や地域の旅行者がどのような滞在や体験を求めているのかを汲み取りながら、柔軟なアプローチを検討していくことが大切になりそうです。

 

<関連リンク>
インバウンド消費動向調査(2025年 年次報告書) [出典:観光庁]

その他の市場や、詳細については上記観光庁のリンクから報道発表資料をご参照ください。 

また本記事で使用しているDiGJAPAN!マーケティングチーム作成のグラフは、資料等に自由にご利用ください。

 

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