1.データで見る「獨旅」層の拡大
Threadsでは昨年、台湾や香港で一人旅を意味する「獨旅」というワードが大きな話題となりました。実際に観光庁の「インバウンド消費動向調査」を見ても、台湾・香港において「自分ひとり」で訪日する旅行者の割合が年々増加していることがわかります。
家族や親族との旅行が依然として過半数近くを占めているものの、香港では約2割、台湾でも1割台半ばまで堅調に増加しており、今後さらに「獨旅」が新たなトレンドとして広がっていくことが予想されます。
2.獨旅増加の背景
台湾・香港からの訪日客は、リピーター率が80%〜90%に達する成熟市場です。過去に何度も家族や友人と主要都市を巡った旅行者が、あえて一人旅を選ぶ背景には以下の要因が挙げられます。
治安の良さ
日本は夜間の移動や公共交通機関の利用もしやすく、海外での一人行動に対する心理的ハードルが比較的低いため
自分のペースで動ける快適さ
同行者に気を使うことなく、自分の趣味や関心だけに特化したスケジュールを自由に組める
一人でも入りやすい飲食店
カウンター席のあるラーメン店や居酒屋などが多く、一人での食事でも気まずさを感じにくい環境が整っている
地方やディープなスポットへの興味
定番の観光地はすでに訪れているため、少しマイナーな地方都市や特定の目的に合わせたスポット訪れたい
3.どんな層に多い?
一人旅を選択する層は、大きく分けて2つのグループに分けられます。
20代〜30代の若年層(Z世代・ミレニアル世代)
SNSなどを活用して自力で移動手段や宿を手配する世代です。推し活やイベント参加などを目的に、身軽に来日するケースが見られます。
何度も日本を訪れているリピーター層
日本の交通網やシステムに慣れているため、単独での地方周遊やマイナーなエリアへの旅行を楽しむ傾向があります。
4.「獨旅」で好まれる旅のスタイルとは?
テーマに特化した旅行
アート鑑賞(直島や金沢など)、映画やアニメの舞台を巡る聖地巡礼(飛騨高山や鎌倉など)、自然を楽しむアウトドアなど、自分の興味を深掘りするスタイルが人気です。
自分を癒やす時間(温泉やこだわりグルメ)
静かに過ごすことを目的に、街の雰囲気や散策そのものを楽しめる温泉街(銀山温泉や湯布院など)に滞在する人が増えています。
また、従来のバックパッカーのような節約志向の一人旅とは異なり、「自分のためだけに時間とお金を使いたい」という意識が強いのも特徴です。予約が取りやすい人気店のカウンター席や割烹など、一人だからこそ満喫できる上質な食事や体験には予算をかける傾向が見られます。
ローカルな日常を楽しむ街歩きと注目のエリア
現地の日常やゆったりとした雰囲気を楽しめるスポットが人気を集めています。SNSや現地メディアでも以下のような場所が「獨旅におすすめ」としてよく取り上げられています。
東京:三鷹の森ジブリ美術館(作品の世界観に浸る)、下町情緒が残る谷中銀座商店街、清澄白河(カフェ巡り)、代官山蔦屋書店(本と空間をのんびり味わう)
関東近郊:箱根・熱海(日帰り温泉&アート巡り)
大阪:中之島エリア(水辺の散策と中之島美術館鑑賞)、中崎町(古民家カフェ・雑貨店巡り)、難波八坂神社(インパクトのある巨大獅子殿の参拝)、法善寺横丁(風情ある石畳の路地で一人ごはん)
京都:鴨川沿い散歩、嵐山で竹林散策、宇治(本場の宇治抹茶スイーツを満喫)、一乗寺(京都のディープな街で個性的な本屋巡り)
山陰・山陽:倉敷美観地区(白壁の情緒ある街並みを写真撮影)、尾道(坂道と猫に出会うレトロ街歩き)
瀬戸内:直島アートツアー、小豆島オリーブ公園、しまなみ海道サイクリング
沖縄:アメリカンビレッジで夕暮れ散歩、静かな離島・阿嘉島でのシュノーケリング
5.快適な「獨旅」を支えるスマホアプリ
言語の壁や移動の不安を解消し、一人でもスムーズに旅を楽しむためにデジタルツールの活用は欠かせません。旅行者の間では、主に以下のような便利アプリが獨旅に役立つと紹介されています。
Googleマップ:道案内やスポット探しに欠かせないツールです。
NAVITIME:電車の乗り換えや運賃、発着ホームの番号まで正確に網羅。複雑な日本の交通網を移動する際に非常に役立ちます。
Google翻訳:カメラ機能で日本語メニューや看板、テキストを読み取れば瞬時に翻訳できるため、食事や買い物の際も安心です。
食べログ:飲食店を探す際、評価やレビューを参考にしながらお店選びができます。
Payke:ドラッグストアなどで商品のバーコードを読み取ると、成分や使い方を多言語で確認できる便利なアプリです。
6.まとめ
治安の良さやデジタルツールを駆使し、日本旅行を自由に楽しむ「獨旅」層。一人客向けのメニュー設定やカウンター席の拡充、多言語での分かりやすい情報発信など快適に過ごせる環境を整えることで、その満足度はさらに高まります。個人のニーズに寄り添った受け入れ態勢づくりが、今後の台湾・香港インバウンド市場における差別化のポイントとなりそうです。

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