10月13日、タイのプミポン国王が崩御されました。
日本のニュースでタイの様子を見ていると、タイ国民の悲しみが伝わってきてプミポン国王がいかに国民に愛されていたかがわかります。
崩御の発表から1週間が過ぎましたが、タイの人々は、リアルでもネット上でも、様々な形で哀悼の意を表しています。
発表以降のタイの様子や、SNS上での対応、今後の訪日インバウンドの影響についてまとめました。※2016年10月24日現在
タイ国内での影響
タイのプラユット首相はプミポン国王の崩御を受け、以下の発表をしています。
● 政府機関、国営企業、教育機関は今月14日から30日間半旗を掲げる
● 公務員、国営企業職員は今月14日から1年間服喪する
● 一般国民は娯楽的な活動を30日間自粛する
公務員、国営企業職員は1年間、黒か白の服を着なければなりません。
一般国民は自由ではあるのですが、基本的には黒と白の服を来て過ごしているようです。SNSが発達しているタイでは、派手な色の服を着ている人をネット上で晒して炎上するといった問題も起こっているそうです。
また、タイのテレビ放送がすべて国王に関する放送になっていたり、白黒放送になっています。
株式市場、貿易、投資といった経済活動を止めないよう国民に呼びかけているものの、こうした自粛ムードの中、少なからず影響はあると考えてよいと思います。
タイのWebサイト・ソーシャルメディアの状況
Webサイト
タイの多くのWebサイトが、哀悼の意を表した白黒表示になっています。
「kapook.com」は、日本でいうとYahoo!のようなタイ最大級のポータルサイト。もともとはメインカラーの緑色を主体としたデザインでしたが、現在では白黒のデザインに変更になっています。
Facebookページは企業ページ、一般人問わずアイコン・カバーが白黒表示に。アイコンについては、黒一色にしているユーザーもいます。
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ユーザーの様子
また、Facebookは広告の配信を一時停止すると発表しています。
LINEやInstagramなどFacebook以外のSNSでも同様で、アイコンや投稿写真が白黒になっていることが多いです。キャンペーンなどの投稿をしている企業アカウントもありますが、やはり添付画像は白黒でした。
ネット上でも哀悼の意をしめす投稿が多いのですが、1週間がたって徐々に通常の投稿が増えてきたようにも感じます。
タイ人のマーケティングスタッフによると、テレビ放送が国王に関する放送が多くなっているため、Webで情報を収集する人が一時的に増えているのでは?という見解もあるそうです。
DiGJAPAN!Facebookの対応
DiGJAPAN!が毎日情報発信をしているタイ向けのFacebookページでも、崩御の発表の後に訃報時の対応を行いました。その際の対応について、少しご紹介いたします。
日本で崩御の速報ニュースが流れてからすぐに、Facebookページのカバーとアイコンを白黒のデザインのものに差し替えました。その際、お悔やみ文をつけて投稿し、哀悼の意を表しています。
また、毎日発信していた観光情報を一時的に停止しています。
タイと日本に関するストーリーや、プミポン国王に関するニュースや情報をシェアするなど、タイの人々に寄り添った投稿を心がけています。
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MAPPLE Thailandさんの投稿 2016年10月18日
18日に投稿した画像は、ラーマ9世の数字の9を表しています。
共感が大事なソーシャルメディアにとって、ユーザーの気持ちに寄り添った投稿をすることはとても重要です。
また、訪日インバウンドにおいては、その国ならではの趣向や習慣に加えて、現地の重要ニュースなどにもアンテナを張って迅速に対応することも必要とされます。
今後も、DiGJAPAN!ではタイ国内の状況を注視しながら運用を進めていきます。
今後の訪日インバウンド市場への影響は?
「一般国民は娯楽的な活動を30日間自粛する」ということで、旅行や観光も娯楽のうちの一つとして自粛傾向にあります。
2015年では、12月が年間で2番目に訪日タイ人が多い月となりましたが、今年は爆発的な伸びは期待できないかもしれません。
来年1月にバンコクで開催予定だった「くまモン・マラソン(仮称)」も、1年間の服喪期間に該当するとして延期が決まりました。
しばらくの間は旅行をしよう、という機運自体が減少していくものと思われます。 ただし、タイの国民は徐々に落ち着きを取り戻しています。服喪期間は1年間と長いため、自粛ムードもだんだんと軽減されていくのではないでしょうか。
タイ人のマーケティングスタッフによると、「人にもよりますが、今予約をしている旅行に関しては催行してしまうことが多いと思います」ということです。
最後に、羽田空港の警備員がタイ国旗と黒いリボンをつけていることが話題になっていました。訪日タイ人の人々の気持ちに寄り添った行動を心がけたいですね。
ตำรวจญี่ปุ่นหัวใจไทย! ตำรวจในสนามบินฮาเนดะติดโบอาลัยในหลวง พร้อมกล่าวแสดงความเสียใจเป็นภาษาไทย … น่ารักและซึ้งใจมากๆเลยว่ามั้ยคะ ในบรรยากาศโศกเศร้าแต่ก็มีเรื่องดีๆเกิดขึ้น
MAPPLE Thailandさんの投稿 2016年10月20日
崩御発表以降のタイの様子や、SNS上での対応、今後の訪日インバウンドの影響についてまとめましたが、いかがでしたでしょうか。
皆さまの訪日インバウンド事業により役立つ記事の制作のために、よろしければこちらからご意見いただければ幸いです。