2016年10月訪日外客数 概要
日本政府観光局(JNTO)が発表した訪日外客数(推計値)によると、10月の訪日外客数は、前年同月比16.8%増の213万6千人と、10月として過去最高となりました。(これまでの10月過去最高は2015年10月の182万9千人)
また、1月から10月の累計は前年同期比23.3%増の2,011万3千人を記録。年間で初めて2,000万人を突破しました。
10月はアジア圏の国慶節や学校休暇などが需要を創出したことに加え、クルーズの寄港増加や航空路線の拡大・増便などが増加の要因としています。
2016年10月訪日外客数 市場別
市場別では、カナダとドイツが単月として過去最高を記録したほか、ロシアを除く17市場が10月として過去最高になりました。
特に、欧米豪の市場については軒並み昨年度比20%を越える大幅な伸びを記録し、10月の訪日外客数の増加に貢献しました。
アジアのみならず、欧米圏からの需要も高まっていることがわかります。
訪日外客数のシェアは東アジア68.6%、東南アジア+インド 12.2%、欧米豪14.1%。
前年同月比では、シェア率には大きな動きがありません。
■韓国
前年同月比21.2%増の449,600人。10月として過去最高を記録。
10月までの累計は4,169,000人となり、2015年の年計4,002,095人を越える結果になりました。
LCCの新規就航などにより航空座席供給量が増加したことや、地方の魅力を訴求する共同広告、秋に向けた訪日旅行プロモーションなどが増加の要因とされています。
■中国
前年同月比 13.6%増の506,200人。10月として過去最高を記録。
国慶節による訪日需要の増加などが前年度比増加の要因となりました。一方で、台風18号の影響によりクルーズのキャンセルが発生し、10,000人超の機会損失となった可能性があるともされています。
■台湾
前年同月比 3.2%増の354,500人。10月として過去最高を記録。
LCCの新規就航などにより、座席供給量が増加するなどの押し上げ要因がありましたが、前年度比伸び率は1ケタ台に留まりました。
■タイ
前年同月比 14.3%増の98,300人。10月として過去最高を記録。
10月中旬からの学校休暇に伴い、外国旅行需要が増える時期であったことなどが増加の要因とされます。
10/13にプミポン国王が崩御されたことにより、訪日旅行への影響も一部みられましたが、旅行のキャンセルなどは限定的だったようです。現在も国全体が喪に服す中、今後の訪日旅行プロモーションについてはタイの国民に寄り添った内容が求められそうです。
プミポン国王崩御から1週間後のタイの様子やプロモーションについてまとめた記事も合わせてご覧ください。
【トピック】プミポン国王崩御 訪日タイ人観光客への影響とSNS対策まとめ
■アメリカ
前年同月比 24.2%増の119,500人。10月として過去最高を記録。
10月までの累計は1,033,900人になり、2015年の年計1,033,258人を超える結果になりました。
継続した訪日旅行のプロモーションが安定した訪日需要を支えている要因としています。
■5ヵ国まとめ
韓国、中国、台湾、タイ、アメリカの訪日外客数について、国別推移をグラフにしてみました。
韓国、中国、台湾、タイ、アメリカの訪日外客数について、前年度比の伸び率をグラフにしてみました。
その他の市場や、詳細については以下のリンクから日本政府観光局(JNTO)の報道発表資料(PDF)をご参照ください。
<関連リンク>
訪日外客数(2016 年10月推計値及び上半期推計値) [出典:日本政府観光局(JNTO)]