観光庁の発表した訪日外国人消費動向調査「平成28年4月~6月期」の報告書から、観光・レジャー目的で訪日した外国人の国籍・地域別 費目別購入率および購入者単価について、韓国・中国・台湾・タイ・アメリカの状況をまとめてみました。
訪日旅行で、外国人旅行者は何にお金をかけている?
日本滞在中の費目別支出
まずは費目別の購入者単価(費目を購入した人における当該費目の1人当たり平均支出)です。
注目すべきは「中国人の買物代」。爆買いが下火になってきたというニュースを見ようになりましたが、それでも他の国を圧倒的に引き離しての購入者単価13万185円です。
その他、タイや台湾ではショッピングへの意欲が高い様子がわかります。
また、アメリカで宿泊料金や交通費が高くなっているのは、アジアの国に比べて、宿泊日数が多いためだと考えられます。
購入率(その費目を購入した人の割合)ですが、どの国も買物代の購入率が高い結果となっています。
買物代の内訳は菓子類や食品、カメラ・ビデオカメラ・時計、化粧品・香水、服(和服以外)・かばん・靴など幅広い商品が対象。お土産と認識してもよいかと思います。
訪日旅行で、外国人旅行者は実際に何を買っている?
日本滞在中の買物代 内訳
では、買物代の内訳を見てみます。
やはり中国人旅行者の購入単価が目を引きます。「カメラ・ビデオカメラ・時計」などと並んで「化粧品・香水」が高い点に注目です。購入する品物は変化があるものの、消費意欲は衰えていないことがわかります。
ちなみに一番単価が高くなっている「その他買物代」の内訳は以下の通りです。
宝石・貴金属・アクセサリーなどが単価を上げているのではないでしょうか。
中国人にヒットした魔法瓶もこのカテゴリに入っています。
買物代の内訳を購入率で見てみると、訪日中国人旅行者の購入率1位はやはり「化粧品・香水」、2位は「医療品・健康グッズ・トイレタリー」、3位は「菓子類」という結果になりました。また、「服・かばん・靴」の割合も高くなっているところにも注目です。
訪日タイ人旅行者に人気なのは「菓子類」「化粧品・香水」「服・かばん・靴」など。タイ人の間で「オニツカタイガー」のスニーカーや「anello」のリュックが流行していることをニュースなどで目にしたことがある方もいるのではないでしょうか?
化粧品といえば、先日タイをはじめDiGJAPAN!WEBサイト上で話題になったバラの形の泡が出る洗顔料「エビータ ビューティホイップソープ(カネボウ)」。DiGJAPAN!マーケティングチームの外国人スタッフも大興奮でした。こうした日本ならではの魅力的な商品は、クチコミを通じて広まり、購入へとつながっています。
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MAPPLE Thailandさんの投稿 2016年9月8日
訪日韓国人旅行者の購入率が高いのは「菓子類」「その他食料品・飲料・酒・たばこ」となっています。この結果にもとても納得です。
なぜなら訪日韓国旅行者は旅行中に買ったお土産を並べてSNSに投稿するのが好きだから。購入した商品を友達と一緒にホテルで飲んだり食べたり、お菓子のレビューをしてみたり…。訪日韓国人旅行者は購入者単価が高くなくても大きなクチコミ効果が狙えます。
訪日アメリカ人旅行客に人気なのは、アジアからの訪日外国人とは少し違って、「和服・民芸品」や「マンガ・アニメ・キャラクター関連商品」。日本らしい商品やクールジャパンのイメージの商品を好む傾向にあります。
訪日旅行で、外国人旅行者はどこで買い物をしている?
買い物をした場所
医療品や化粧品、お菓子まで手に入るドラックストアが人気です。また、24時間営業のコンビニエンスストアも強い味方の様子。
空港の免税店では、帰国する前にお土産を購入できます。新千歳空港ではじゃがポックルなどの人気商品が個数制限となるほど。DiGJAPAN!マーケティングチームの中国人スタッフによると、中国人旅行者はお土産に1人1箱ずつ配るので、個数制限があると困るという声もありました。
訪日アメリカ人旅行者は、「観光地の土産店」でも購入をしています。個人旅行で地方を巡ったり、体験をしたり、民芸品などを手に取ってくれる機会がアジアの旅行者に比べ多いようです。
訪日タイ人旅行客は、100円ショップの買い物の割合が高くなっています。
DiGJAPAN!WEBでも「ダイソーのタイ人必買アイテム」をご紹介したことがあります。ダイソーはタイにも進出していますが、タイでは、商品が一律60バーツ(=約200円)で売られていて若干割高であったり、日本でしか手に入らない商品も多いため、日本に来るタイ人は、ここぞとばかりにダイソー商品を購入していくんだそうです。
まとめ
訪日韓国人旅行者
● 訪日韓国人旅行者の購入者単価は約2万円。
● 買物代の購入率は1位「菓子類」、2位「その他食料品・飲料・酒・たばこ」、3位「医療品・健康グッズ・トイレタリー」
● お菓子や飲料をホテル等で食べることがある。特に若者の間で、購入した商品をSNSで紹介する習慣がある。
訪日中国人旅行者
● 買物代の購入者単価は約13万円と、他の国に比べて突出して高い。
● 買物代の購入率は1位「化粧品・香水」、2位「医療品・健康グッズ・トイレタリー」、3位「菓子類」
● 購入意欲は依然として高いが、購入する費目が移り変わってきている。
訪日台湾人旅行者
● 買物代の購入者単価は約4万7千円。
● 買物代の購入率は1位「医療品・健康グッズ・トイレタリー」、2位「その他食料品・飲料・酒・たばこ」、3位「菓子類」
● ドラッグストアやコンビニエンスストア、スーパーマーケットなどの小売店でのショッピングが好きな傾向がある。
訪日タイ人旅行者
● 買物代の購入者単価は約5万6千円。
● 買物代の購入率は1位「菓子類」、2位「化粧品・香水」、3位「服・かばん・靴」
● 100円ショップが好きな一方で、デパート・百貨店でも買い物をする。節約と贅沢を使い分ける。
訪日アメリカ人旅行者
● 買物代の購入者単価は約3万円。
● 買物代の購入率は1位「その他食料品・飲料・酒・たばこ」、2位「菓子類」、3位「和服(着物)・民芸品」
● 「観光地の土産店」などでいわゆるTHE・ジャパンな商品をお土産にすることを好む傾向がある。
いかがでしたでしょうか?
国によって、消費する費目や、買い物の場所が違うことがわかったのではないでしょうか。
訪日インバウンドでは、それぞれの国の特性に合った情報発信や、クチコミによる拡散などのプロモーションを実施することが大切です。
DiGJAPAN!では、ネイティブスタッフによる市場動向調査やマーケティングリサーチ、メディアを通したプロモーション支援などを行っています。
ぜひお気軽にお問い合わせください。