訪日外国人観光客はインターネットで情報収集をしている?
まず、訪日外国人観光客が何を使って日本の観光情報収集をしているのか確認してみましょう。観光庁による平成27年の訪日外国人消費動向調査による結果(選択率)をグラフにしてみました。
「訪日外国人観光客が出発前に得た旅行情報源で役に立ったもの(複数回答)」の調査では、インターネットに関わる項目がかなり細分化されています。(グラフで赤く色がついているものがインターネットに関する項目)
訪日外国人観光客が「個人のブログ」、「旅行会社のホームページ」「日本政府観光局ホームページ」、「宿泊施設ホームページ」「SNS」などを活用していることがわかります。
このグラフはすべての国の合計値ですが、国別に見てみると、国によって一番人気のサービスが違います。例えば、韓国は「個人のブログ」の割合が、アメリカは「口コミサイト」の割合が圧倒的に高い結果となっています。
一方で、旅行ガイドブックなど紙の媒体を参考にした割合も低くはありません。また、アンケートの項目が決まっているため反映されていませんが、この他にも「日本観光アプリ」や「旅行会社の店頭」など、項目名には出ていない情報源もありそうです。
ただ、どの国においてもWEB上に掲載されている情報と、友人や経験者からのクチコミ情報は訪日前の重要な情報源になっており、ほとんどの訪日外国人観光客がインターネットで情報取集をして日本に来ているようです。
訪日外国人観光客を集客したり、商品を購入してもらうにはまず「認知」してもうらうことが大切です。よほど時間やお金に余裕がある方ではない限り、訪日外国人観光客は行先やルート、やりたいことを決めてから旅行に出発します。「行き先リスト」「買い物リスト」に入れてもらうためには、訪日前に認知してもらい、検討段階に入れてもらう必要があります。
そのためには、訪日前の情報源となる媒体で、集客したい訪日外国人観光客に向けて情報発信を行うことが大切です。
訪日外国人観光客の集客に活用できるWEBサービス 6選
訪日外国人観光客にインターネットで認知をしてもらうには、何から始めればよいのでしょうか。
そこで今回は、訪日インバウンド対策によく利用されているWEBサービスをご紹介いたします。それぞれのサービスが得意とする役割と注意点をまとめてみました。
1.自社メディア
自社運営のWEBサイトです。コーポレートサイトもここに含まれます。コーポレートサイトであれば、日本語はもちろん多言語サイトを運営している企業様も多いのではないのでしょうか。
ここでは、ユーザーが必要としている基本情報を掲載しておくことが大事です。サービスや店舗・商品の情報、アクセス、営業時間、価格、アレルギー表示などは、日本でもきちんと更新されている公式サイトの情報が一番信頼できますよね。もちろん、そうした情報に変更がある場合はなるべく早く更新をする必要があります。
また、広告出稿をしてユーザーを自社メディアに誘導するのであれば、ゴールである自社メディアはしっかり整備をしておかないとコンバージョンにつながりません。
☞注意点
●単純な機械翻訳ではわかりにくい
機械翻訳は意味が通じることもありますが、基本的には意訳が不得意です。訪日外国人にとって理解が難しい表現になってしまったり、一般的に使用しない言葉が使われてしまうことが多々あります。せっかく多言語なのにわかりづらければ、結果的にイメージダウンにつながる恐れがあります。
●外国人にとって意外と情報が不足している
例えば「店舗は金沢市にあります」と書かれていても、訪日外国人観光客にはピンときません。日本の地図や位置関係を把握している外国人は少ないものです。成田空港などのハブ施設からの距離、公共交通を使ったアクセス情報など、日本人なら書かなくてもわかる部分を丁寧に説明してあげると親切です。
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2.WEBメディア(一次メディア)
編集部的な機能を持っており、記事などのコンテンツを編集してWEB上で情報発信をするメディアです。DiGJAPAN!WEBサイトもこの分類に入ります。
PR記事を制作する記事広告や、バナー掲載などの純広告など、メディアによってさまざまな広告メニューがあります。また、得意とするジャンルや制作できる言語、閲覧者の多い国やユーザー層などメディアによって特色があるので、広告出稿の際は自社のサービスと相性のよい媒体を探してみてください。
閲覧者の多い国を知るには、無料で簡易的なWEBサイト解析ができるサービス「SimilarWeb」を参考にしてみてください。
※ただし、無料「SimilarWeb」の数値がどこまで正しいかは判断できませんので、あくまで参考としてご覧いただければと思います。
一次メディアを活用するメリットは、編集部やライターによって取材・ライティングしてもらえる点です。外国人ライターに実際に体験してもらったり、記事を書いてもらうことで、第三者目線・外国人目線での情報発信をすることができます。
また、一次メディアに情報が掲載されることで、自社メディアで発信しているだけでは届かないユーザーにまで情報を届けることができます。さらに、一次メディアに掲載された情報が、ポータルサイトやまとめサイトなどの二次メディアやソーシャルメディア(SNS)で拡散されて認知が高まる可能性もあります。
☞注意点
●コンテンツ自体の閲覧数はどのくらいになるかをチェック
WEBメディア自体のページビュー数も大事ですが、コンテンツビュー数がどのくらいかという点も確認しておきましょう。コンテンツビューとは、サイト全体の閲覧数ではなく、記事1本などコンテンツ単位の閲覧数のこと。ユーザーの閲覧する場所を問わず、コンテンツ自体を広めて多くの人に閲覧してもらうという考え方です。
DiGJAPAN!WEBでも広告メニューをご用意しております。詳しくはこちらから⇒ DiGJAPAN!WEBへの広告掲載について
3.旅行関連商品 予約サイト
海外でもインターネット経由で旅行予約をすることは一般的です。
Booking.com、Expedia、Agoda.comなど宿泊施設の予約サイトや、Japanican.com、HIS Thailandなどツアーの予約サイトが活用されています。ただし、やはりサイトによって特定の国や言語に強いサービスがあります。施設登録をするなら、集客したい国や言語に合ったサイトへ登録することが効率的です。
例えば、中国で最大手の宿泊予約サイトはCtrip、阿里旅行です。
昭文社では中国向け宿泊予約サイトへの施設掲載のお手伝いもしております。
詳しくはこちらから⇒ 中国向け宿泊予約サービス
4.クチコミメディア
ここからは個人が情報発信できる、ユーザー参加型のメディアをご紹介します。
クチコミメディアの代表格は、欧米圏で利用率が非常に高いトリップアドバイザー。トリップアドバイザーは無料で施設登録ができるので、施設や店舗を保有しているのであれば、登録しておくことをおすすめします。
タイではpantipという、日本でいうところの2ちゃんねるのような掲示板サイトが大人気。こちらもユーザーの投稿によって成り立っているサービスで、日本観光の情報も投稿されています。
ただし、クチコミは事業者が操作することは難しいため、クチコミメディアでよい評価を書いてもらえるかどうかは、訪日外国人観光客に満足のゆく体験を提供できるかどうかにかかっています。
5.ブログサービス
韓国、台湾などのアジアを中心に、著名なブロガーが多くいる国があります。韓国では特に、NAVERブログをはじめとしたブログサービスが活発です。若い女性には美容やショッピングの情報が人気で、ブロガーの影響力は非常に大きいと言われています。
訪日インバウンドのマーケティングにおいて、「KOL(Key Opinion Leader)」と呼ばれる人気ブロガーの活用が盛んにおこなわれています。何十万人のファンを抱えるKOLの発信するクチコミ力は非常にパワフルです。
☞注意点
●契約内容などはしっかり確認
KOLに取り上げられることで、爆発的な人気がでる可能性があることは確かです。
しかし最近では、KOLの企業活用が増加したことにより、KOLの投稿が宣伝を嫌うユーザーに届きにくくなり始めたと言われています。また、本当に確度の高いユーザーに情報が届いているのかどうかや、KOLの持つ数字の信ぴょう性が問われるなど議論が起こっています。何までできるのか?どういう風に発信してくれるのか?という点は事前に確認しておきましょう。
6.ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)
現在、最も気軽にクチコミを拡散することができるメディアといっても過言ではないかと思います。
海外では日本よりもはるかにサービスの利用が活発です。Facebook利用者数の対人口割合は、日本が19%なのに対して、台湾は73%、タイは48%、韓国は32%など、高い利用率を誇っていることがわかります。(セレージャテクノロジー調べ)
ただし、SNSはFacebook、Twitter、Instagram、LINE、カカオトーク、Weibo、Wechatなどサービスも様々。こちらも国や言語によって利用率の高いSNSが変わります。
SNSは基本的にコンテンツが流動的なため、自社メディアのように基本情報をひたすら発信するより、リアルタイムな情報発信に適しています。例えば、本日のセール情報や季節の話題などです。
投稿に対してのユーザーの反応をリアルタイムで見ることができたり、コメントで気軽に交流ができるのがとても楽しく感じますよ。また、テキスト、画像、動画、クーポンなどプラットフォームの持つシステムを使って様々なコミュニケーションができる点も魅力的です。
☞注意点
●宣伝色が強い投稿は避けられる傾向に
SNSは、もともと友人同士のコミュニケーションためのサービス。宣伝のための投稿はユーザーに好まれない傾向があります。そのため、広告出稿をするにしても、あからさまな広告だとユーザーのクリック率が低くなる傾向があります。
一方で、ユーザーが面白いと感じて「友達にシェアしたい!」と思うコンテンツの拡散のスピードは非常に速いです。
●自社で運用するならアカウント開設後が勝負
SNSは気軽な情報発信の場として非常に優れています。ただし、アカウントやページを開設しただけで終了ではありません。サービスや店舗、商品の情報をデイリーに発信することが重要です。
特にFacebookは、ユーザーの反応がよい投稿を優先的に表示させたり、逆に反応が悪い投稿は表示させにくくするなどの仕組みがあります。また、更新頻度が低いことも良しとはされていませんので、ユーザーの反応を見ながらゆっくりとファンを育成していく必要があります。
DiGJAPAN!FacebookではWEB広告と組み合わせたメニューをご用意しております。詳しくはこちらから⇒ DiGJAPAN!ソーシャルメディア(SNS)の活用
まとめ
訪日インバウンド対策によく利用されているWEBサービスをまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。訪日外国人観光客に向けたWEBプロモーションのヒントになりましたでしょうか?
認知を高めたい・集客したい国や、PRしたい商品・サービスによって効果の高い媒体は変わります。WEBプロモーションをご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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